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セレスタイトの主成分は硫酸ストロンチウムですが、この美しい青色は、結晶構造のなかに含まれる微量の「不純物(主にバリウムなど)」や、天然の「放射線照射(環境放射線)」によって結晶格子に欠陥(カラーセンター/色中心)が生じることで発色しています。
特にマダガスカル・マジュンガ地域などで産出されるものは、この条件が非常に絶妙に揃っているため、他の産地に比べて雑味が少なく、クリアで美しいトップカラーのブルーが発色しやすいのが特徴です。
A マダガスカル産のセレスタイトは、堆積岩(主に泥岩や砂岩)の内部にできた空洞(晶洞=ジオード)の中に、長い年月をかけて成分が結晶化していくことで形成されます。市場によく流通している底が丸くてゴツゴツした塊は、その「ジオード(晶洞)」をパカッと割った片割れだからです。外側の母岩部分に守られるようにして、内側に美しい斜方晶系の群晶(クラスター)が規則正しく成長しているため、インテリアとしても非常に見栄えがする美しいドーム状(またはボウル状)の形をしています。
Q 硬度や劈開(へきかい)について、プロの扱いとしての具体的な注意点を教えてください。
A
セレスタイトのモース硬度は 3〜3.5 と、天然石の中でもトップクラスに柔らかい部類に入ります。さらに、特定の方向に極めて割れやすい「正開(完全な劈開)」という性質を3方向(三方向に完全)に持っています。 爪で強く引っ掻くだけでも微細な傷がつくほか、超音波洗浄機にかけると一瞬で粉々になってしまうため、ジュエリー加工にはまず向きません。原石としてディスプレイする際も、ピンセットで結晶を直接摘むのは避け、必ず母岩部分を持つようにしてください。また、硬いクォーツ(水晶)など他の鉱物と接触させるだけでも傷がつくため、保管時は個別にスペースを確保するのが鉄則です。
Q なぜ「水」や「紫外線」によって劣化してしまうのですか?
A
セレスタイト(硫酸塩鉱物)は、微水溶性(水にわずかに溶解する性質)を持っています。そのため、水に濡らすと結晶の表面が分子レベルで溶け出し、独特のガラス光沢が失われて白く曇ってしまいます。
また、紫外線(太陽光)に長時間さらされると、発色の原因である「カラーセンター(色中心)」のエネルギー状態が変化してしまい、せっかくの青色が抜けて無色透明に近づいていく「退色現象」が起こります。プロのディスプレイ現場でも、UVカット仕様のガラスケースを使用するか、直射日光が絶対に当たらないスポットを選ぶのが基本です。