日本 ダイヤモンドの歴史に刻まれる新たな造形美 lucir cut ルシルカットの全貌
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「ITO MEGUMI」はJEWELRY MAGAZINE本部のスタッフです。数百年もの間、ダイヤモンドの研磨において業界を縛り続けてきた「古いルール」をご存知でしょうか。それは、いかに高価な原石の重さ(カラット数)を減らさずに削り出すかという経済的な指標です。市場価格が重さに依存する以上、カッターたちは輝きやプロポーションを多少犠牲にしてでも、石の重さを残すという経済合理性に従わざるを得ませんでした [00:27]。
しかし、その常識を完全に覆し、次世代のダイヤモンドとして誕生したのが「ルシルカット(lucir cut)」です [00:49]。
ルシルカットの最大の特徴は、古いルールを完全に無視したそのカッティングへのこだわりにあります。なんと、2カラットの巨大な原石をあえて1カラットになるまで削り落としてしまうのです [00:54]。これは、最高級の大理石を贅沢に削って究極のシルエットを持つ彫刻を創り上げるようなもの。従来の業界の常識からすれば「狂気の沙汰」とも言えるこの決断が、これまでにない究極の輝きを生み出しました [01:10]。
縦長にカットされた宝石は、光が抜けて中央に蝶ネクタイのような暗い影が出る「ボウタイ効果」が起こりやすいという課題がありました [01:25]。しかし、ルシルカットは58面のカット角度をミリ単位で再計算するという高度な光学設計により、本来なら逃げてしまう光を石の内部で反射させ、中央まで均一に輝くよう設計されています [01:37]。
天然のダイヤモンドで半分も捨てるようなカッティングを行えば、価格は天文学的なものになり、王族でもない限り手の届かないものになってしまいます [02:02]。ここで最大のブレイクスルーとなるのが「ラボグロウンダイヤモンド」というテクノロジーです [02:17]。
ラボグロウンダイヤモンドの真価は、単に天然と科学的に同一であることだけではありません。細長いルシルカットに最適な形の原石を、研究所(ラボ)で意図的に育成できる点にあります [02:26]。最初から細長い長方形の形に育てるという発想の転換により、最高品質の輝きでありながら、1カラットで24万円台という「手の届くラグジュアリー」を実現しました [02:44]。
ラボグロウンダイヤモンドは、単なる倫理的で安価な代替品ではありません。大自然の物理的な制約からデザインを解放するための、全く新しい「キャンバス」なのです [02:49]。キャンバスが自由になったことで実現した視覚的なボリュームの拡張や心理的な新奇効果は、実際に特許庁に登録され公的に認定されています [03:05]。
これまでダイヤモンドは「地球が偶然生み出した希少な石」でした。しかし今、それは「人間が光と色を操るための究極の媒体」へと役割を変えつつあります [03:15]。
宝石本来の魅力を、人間の技術が自然の限界を超えて引き出した歴史的な転換点 [03:39]。あなたが次にダイヤモンドを見る時、その形は原石の都合による妥協の産物なのか、それとも究極の美の追求なのか、きっと全く違った視点で見えるはずです。
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