日本 ミスターダイヤモンド石田茂之氏が発足『トレサブルダイヤモンドクラブ』が描く、透明な宝飾業界の未来
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2026年、国際宝飾展のメインステージにて、宝飾業界の今後を占う重要テーマ「天然ダイヤモンドとラボダイヤ」に関するセミナーが開催されました。株式会社パーフェクト代表取締役のミスターダイヤモンドこと石田茂之氏をモデレーターに迎え、業界を代表するパネリストたちが登壇。伝統的な天然ダイヤモンド派と、新興のラボ推進派の間で、非常に熱い議論が交わされました。
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議論の口火を切ったのは、「ラボは宝石と呼べるのか?」という根本的な定義についての問いでした。
「宝石の定義は『硬く、美しく、希少であること』。工場で作られるラボは希少ではないため、宝石ではなく工業製品である」 パネリストの深澤氏(ジャパンプレシャス編集長)や大畠氏(元デビアス)は、希少性の観点からラボダイヤを「宝石」と呼ぶことに慎重な姿勢を示しました [02:53]。
「化学的な組成は天然と全く同じ。お客様にとっては、リフォームで持ち込まれるガラス玉であっても『宝石』であり、ラボダイヤも美しさを備えた宝石として位置づけるべき」 実際に店頭でラボダイヤを販売している鈴木氏(株式会社ルシルケイ)らは、顧客視点に立てばそれは十分に宝石であると反論。「天然の真鯛も養殖の真鯛も同じ真鯛であり魚である」「野生の蘭も栽培された蘭も同じ蘭であり花である」という例えを用い、どちらも魚であり花であるように、ラボもダイヤモンドであり宝石であると主張しました [03:50]。
市場動向についての議論では、日本の宝飾業界が抱える課題が浮き彫りになりました。
セミナー後半では、ラボならではの可能性として、lucir cut ルシルカットの実例が紹介されました。 天然ダイヤモンドの場合、原石の形状や歩留まりといった制約があるため、極端に細長い形状の原石のみを選別してカットすることは事実上不可能です。一方、ラボダイヤであれば、最終的なカットデザインに適した形状の原石を生成することが可能であり、これにより従来は実現できなかったデザインやカットを施すことができます。この点は、天然にはない、ラボダイヤ特有の大きな強みであると言えるでしょう。 これは天然にはない、ラボダイヤ独自の強みと言えます [06:39]。
激論の末、進行統括の石田氏は以下の言葉でセミナーを締めくくりました。
「変わらないものにも価値があります。そして、変わるものにも未来があります」[08:38]
天然ダイヤモンドが持つ不変の価値と、ラボダイヤが切り拓く新しい未来。どちらか一方を否定するのではなく、それぞれの特性を理解し、ビジネスにつなげていくことが2026年以降の宝飾業界に求められています。
【進行統括】石田 茂之
1962年 ダイヤモンド輸入商社の2代目として生まれ、日本の大学卒業後、2年間イスラエルのテルアビブ大学に留学。その後、約5年間ベルギーアントワープのダイヤモンド取引所で最年少駐在員としてダイヤのディーリング実施。帰国後、日本初のダイヤモンド専門商社社長に就任。2023年6月株式会社 PERFECT を始動。2016年ベルギーのダイヤモンド業界を統括する公的機関であるアントワープワールド ダイヤモンドセンター(AWDC)より Diamonds & Antwerp Ambassadorとして任命され、日本におけるベルギーダイヤモンド大使として活動。現在日本初のラボ育成ダイヤモンドの一般社団法人日本グロウンダイヤモンド協会代表理事を兼任している。
矢野経済研究所にて約30年にわたり、宝飾市場の調査・分析業務に従事。現在は、日本のジュエリー企業の海外進出支援を目的とした協会を設立し、コンサルティングおよび市場調査活動を行っておられます。国内外におけるブランド研究や講演活動も精力的に行われており、宝飾専門誌『ジャパン・プレシャス』編集長を兼任。さらに、YouTubeチャンネル「Jewelry News Japan TV」を運営されるなど、情報発信の最前線で活躍されている方です。
1989年、米国のグローバル広告会社 J・ウォルター・トンプソン(JWT)に入社。DE BEERS(デビアス)社の日本市場におけるマーケティング活動全般を担当されました。2008年からは新組織である FOREVERMARK 社へ転籍し、リテール・マーケティング・ディレクターとして、2020年12月まで約32年間にわたり、一貫してデビアスグループのマーケティングを牽引。2021年の独立後は、日本ジュエリー協会にも携わっておられます。日本で最も宝飾小売店を知り尽くした業界人のひとりといえる存在です。
株式会社日冨美 代表取締役。2019年には、イタリア・アレッツォに本拠を置く世界的ジュエリーメーカーであり、今年100周年を迎えるウノアエレ・インダストリーズのシニア・バイス・プレジデントに就任。さらに2025年にはエグゼクティブ・バイス・プレジデントに就任されています。また、20年以上にわたりQVCの“顔”として活躍され、お茶の間で最も知られている宝飾業界人のひとりです。
静岡県内において、ブライダル専門店を含む宝飾小売店6店舗を展開されている、株式会社ルシルケイ 代表取締役社長。元フレンチシェフという異色の経歴を持ち、その経験を生かした他にはない独自の宝飾ビジネスソリューションを確立されています。天然とラボ、二極化するダイヤモンド市場において、その両方を高次元で成立させ、理念ではなく結果として示している。日本で唯一の成功モデルといえる宝飾小売店です。さらに、SNSをはじめとするデジタルツールをいち早く経営に取り入れ、業界屈指のデジタル感度と発信力を備えた経営者です。
「鈴木 晃司」はJEWELRY MAGAZINE本部のスタッフです

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